中国‘99昆明世界園芸博覧会

「中国の広さとその園芸技術の奥深さを感じさせる展示園」 

−華夏園林−

 


ジャパンフローラ2000(淡路国際園芸・造園博)を目前にして少し色あせた感があるのですが、昨年中国の昆明で開催された世界園芸博覧会について報告します。

中国の南部、雲南省のベトナム国境付近に位置する昆明は、海抜1900mの高原都市で、その温暖な気候から「春城」呼ばれています。しかし7月の終わりに訪れた昆明は異常に暑く、熱帯といってもよいくらいでした。

全体的な印象から言えば、花の見せ方や緑化技術という点では大阪花博とくらべて特に目新しい手法は見あたらず、やや物足りなさが残りました。珍種も多く植えられたそうですが、目を引くような演出がなく日本でも一般的に使われるような樹種が目立ってしまったのがちょっと残念です。

 

そんな中で最も心をひかれたのは「華夏園林」と呼ばれる中国各地の庭園を集めた展示園群でした。それぞれの庭は中国の様々な地象や植生、文化を巧みに表しており、あらためて中国の広さ、歴史・文化を園芸技術を通して思い知らされたような気がします。

興味深い庭園(園林)をいくつか紹介します。

 


「黔山秀水園」(貴州省)

カルスト地形とそこを流れる川、滝をさりげなく再現したロックガーデン風の立体的な庭園。日本庭園の滝組も連想させる。

 


「瓷園」(江西省)

民家風の陶磁器工房の周りに水車や小川、果樹園や薬草園が配され、人里離れた山村の風景を感じさせる。

 


「山水園」(広西省)

切り立った岩山(高さ20m)を人工岩で作り、山野草を植え付けた庭。水墨画を思わせる。

 


「生態園」(福建省)

その名のとおり都市環境の保全をテーマとし、屋根や壁面を芝生やつる性植物で覆い、建物と自然の調和を図った庭。

 


「中国の窓(天幕雲墻)」(香港)

らせん状に張りめぐらされた天幕や空中デッキにより香港らしい先進的で象徴的な空間を表現している。

 


 中には自然の風景の中に突如として近代風なオブジェが出現したり、中国建築の中庭に英国風の四阿があったり、滝組のまわりに大輪のダリアの植え込みがあったりと一見首を傾げるようなデザインもありますが、これが今の中国の新しいものを取り込む活力と見ることも出来ると思います。                 

  以上 t.takeda